RSIの計算方法
RSI(相対力指数)の計算式です。トレードにおいて価格の「買われすぎ」や「売られすぎ」を判断するために使用されるオシレーターです。RSIの計算方法を理解することは、この指標を正確に使うための第一歩です。ここでは、その計算式とステップについて詳しく説明します。
目次
1. RSIの基本計算式
RSIは以下の計算式で求められます:
ここで、RSは「相対強度指数」と呼ばれ、上昇幅と下落幅の比率です。
2. RS(相対強度)の計算方法
RS(Relative Strength)は、一定期間における価格の上昇幅の平均と下落幅の平均の比率で計算されます。デフォルトでは、14期間が一般的に使用されます。
平均上昇幅: 選択された期間(例:14日間)で価格が上昇した日の価格変動の平均。
平均下落幅: 同じ期間で価格が下落した日の価格変動の平均。
3. 具体的な計算例
例として、14日間の価格データを使ってRSIを計算してみましょう。
ステップ1: 各日の上昇幅と下落幅を求める
仮に以下のような価格データがあったとします(価格は適当に設定しています):
日 | 終値 | 前日比(変動幅) |
1 | 50 | -2 |
2 | 48 | -1 |
3 | 47 | +4 |
4 | 51 | -3 |
5 | 48 | +2 |
6 | 50 | +3 |
7 | 53 | -1 |
8 | 52 | +2 |
9 | 54 | +3 |
10 | 57 | -2 |
11 | 55 | +4 |
12 | 59 | +1 |
13 | 60 | +1 |
14 | 61 | -1(15日を60と仮定して) |
ステップ2: 上昇幅と下落幅の合計を計算
14日間の変動をもとに、価格が上昇した日と下落した日の変動幅を分けて、それぞれの平均を求めます。
上昇日の価格変動の合計: 4 + 2 + 3 + 2 + 3 + 4 + 1 + 1 = 20
上昇幅の平均: 20 ÷ 8 = 2.5
下落日の価格変動の合計: 2 + 1 + 3 + 1 + 2 + 1 = 10
下落幅の平均: 10 ÷ 6 = 1.67
ステップ3: RSを計算
次に、上昇幅の平均と下落幅の平均からRSを計算します:
ステップ4: RSIを計算
RSが求まったので、RSIを計算します:
この場合、14日間のRSIは60となります。これは、市場がそれなりに強気であり、価格は上昇傾向にあることを示唆しています。
4. 期間の違いによる影響
RSIは通常、デフォルトで14期間を使用しますが、異なる期間を選択することも可能です。短い期間を設定すると(例:7期間)、RSIはより敏感に反応し、短期トレーダー向けのシグナルが得られます。一方で、長い期間を設定すると(例:25期間)、RSIは遅く反応し、より長期的なトレンドを確認するために使用されます。
- 短期RSI(例:7期間): より迅速なシグナルを提供するが、ノイズが多くなりやすい。
- 長期RSI(例:25期間): トレンドに対してより安定したシグナルを提供するが、感度が鈍くなる。
5. RSIの計算に関するツール
RSIの計算は、多くのトレーディングプラットフォームで自動的に行われます。例えば、MT4やMT5、TradingViewなどのツールでは、RSIインジケータを追加するだけでリアルタイムの計算結果を表示できます。
なので、計算式を理解する必要性は高くないかもしレませんが、RSIの計算原理を理解することで、異常値やカスタマイズ設定の重要性がより明確になり、自分のトレードスタイルに合った設定ができるようになるので、RSIの理解を深めたい、RSIで勝ちたい!のならば必須の知識かもしれません。
RSIの計算方法まとめ
RSIの計算方法を知ることは、より深いテクニカル分析の理解に繋がります。計算式自体はシンプルですが、価格変動の意味を正しく捉えるためには、実際の相場でどのように使われるかを把握することが重要です。